耐震補強 この国の伝統的な構法で建てられた古民家は、この国の気候風土を熟知した知恵と技でつくられています。
災害時にこのような古民家が倒壊するのはこの基本を無視した改築、改装、によることが多いのです。
耐震補強は再生時に施す。 古民家を再生する時には、耐震補強を同時に施すことにしています。建設当初の姿に戻すことから始めます。そのためには、建設当初の棟梁の考えを読み解くことから始めます。 古民家を再生する時、よく見かけるのが、この伝統的なつくりを無視した危険な改造です。
再生の目的は何か。
家は私たちの暮らしや身を守ることが最大の目的です。 この事を無視した改装が多く見受けられます。 補強は壁で補強する。支えるのは柱ですが揺れは壁が必要です。簡単に壁を撤去してしまう人がいますが気を付けましょう。特に鴨居の上にある垂れ壁は気をつけましょう。
どこを補強するのか。 ただ補強の壁をつくるだけでなくバランスのいいことも考慮することも必要です。
土壁の家は土壁で補強するのが理想です。同じような粘りのある壁で補強するのが理想です。
粘りのある壁で補強する 頑丈に固定するのはお勧め出来ません。粘りのある補強が理想です。 特に震災の場合は一度の震災に耐えるだけではダメです。何度も繰り返される揺れに耐える補強が必要です。なので、出来るだけ真壁(柱と柱の間につくる壁)で補強します。大壁の補強は最初の揺れで一度柱などから壁が離れてしますと、次の揺れには対応出来ません。
自然の猛威は半端ではありません。 この地球で、この国で暮らしていくためには、自然の猛威に対して安全なところはないということを念頭において、自然の優しさ、恵みのなかで暮らすことです。 たとえ倒壊寸前になっても家の中に隙間があれば命は助かります。完全に倒壊しない限り命は救われます。伝統的なつくりの古民家はそのようなつくり方をしています。